表紙とタイトルから「幽霊になった彼氏とヒロインのラブコメかな?」程度にしか思っていなかった「青野くんに触りたいから死にたい」
新巻が出るたびに上位にランクイン!
2018年には「次にくるマンガ大賞 2018」コミックス部門にて14位にランクイン!!
2021年には「第45回講談社漫画賞」の総合部門にノミネート!!!
2022年にはドラマ化!!!!
ずっと気になっていた作品なのですが、頭のどこかに「よくある純愛ベースのラブコメでしょ?」って思い込みがあって、読むのを後回しに!
そして、先日、コミック1巻が無料配信されているのに気づき、ようやく手に取ったわけです
そしたら、想像していたお話とまったく違った!
ちなみに7巻のあらすじにはこうあります
「こんなに面白い漫画、なんで今まで読んでなかったんだ!」「切なくて怖くて面白くて、感情をぐちゃぐちゃにされる…」「ここまで怖い漫画は初めて。夜読んだのを後悔してる」等、SNSを中心に大ブームを巻き起こす、禁断のホラーラブストーリー
これ・・・本当です!!!!
1巻では、幽霊と恋愛ができるメンヘラに見えたヒロインが、読み進めていくと、この上なく純粋で無垢で大きな愛情を持っている女の子であることがわかってきます
話題性もあるコミックなので、どんなお話か気になっている方も多いと思うので紹介したいと思います
目次
「青野くんに触りたいから死にたい」のここがおすすめポイント!
- ヒロインの彼氏へのまっすぐな愛情が「怖い」と同時に「美しい」
- ホラー漫画ならではのドキッとくる描写の巧みさ・・・
- 痛みと恐怖とエロティックさがミックスされたシーンにゾクゾク
ヒロインの彼氏へのまっすぐな愛情が「怖い」と同時に「美しい」
この漫画の面白さを引っ張っていっているのは高校生であるヒロインの優里
優里は、周りからちょっと浮いている女の子なのですが、ひとりでいるのも平気な子
周りからの評価や、自分がどう見られているかなど気にしない性格
でも、気にならないのは、自分に自信があるわけじゃない
自分に対しての自己評価がものすごく低い優里
でも。優里は、思い立ったら、後先考えずにすぐに行動するタイプで、行動した後に、後悔するって女の子なんですね
わたしが最初、彼女のことをメンヘラだと思ったのは、1巻の冒頭部分で、落としたものを拾ってもらっただけで、彼(青野くん)はわたしのことが好きなのかも!と思っちゃうような思考が暴走しがちな一面があるから!
けど、優里はすぐに自分の勘違いに気づくことができる
でも、この時には、すでに青野くんラブ!となっていたので、自分から告白します
初対面同様の優里から告白された青野くんは驚きますが、とりあえずつきあってみようと返事をくれる
舞い上がる優里
青野くんと楽しいおつきあいが始まるのですが、2週間後に、青野くんは交通事故で亡くなります
青野くんの傍に行きたいと自殺を図ろうとする優里
そんな優里の前に幽霊となった青野くんが現れる
優里は幽霊となった青野くんと一緒に居られて幸せいっぱいになります
これが、何年もつきあった彼氏であれば、そういう気持ちになるのもわかるのですが、たかが2週間でそこまで相手のことを好きになるって・・・?
思い込みが激しいメンヘラ女そのものやん・・・
しかし、物語が進むうちに、メンヘラ女だと思っていた優里のイメージがどんどん変わる
この後、青野の幼馴染の「藤本」や、幽霊などミステリー関連の知識を持っている「美桜」が青野くんが幽霊になったことを知る
そして、次々と起こる怪奇現象
ある日、優里が「私の体に憑依してみる?」と言ったことをきっかけに、「黒青野くん」が現れます
次々と起こる怪奇現象は「黒青野くん」のせいで起こると思っている藤本と美桜
青野くんを成仏させるように優里を説得するのですが、青野くんのことが大好きな優里は、青野くんが自分の体に憑依をしたいのであれば、自分の体をあげようと考えます
自分の命を軽く考えている優里を引き止める藤本や美桜
ちなみに「黒青野くん」と「いい子の青野くん」は交互に登場します
これは、とあるキーワードをきっかけに「黒青野」が現れて、優里が不浄のものを身につけると「いい子の青野くん」に戻ると言う法則がある
そして、ストーリーが進んでいくと、優里は家族から心理的虐待を受けている背景があることがわかってくる
そんな優里が、たとえ、幽霊であっても青野くんといて、幸せに笑っている姿は本当に切ない・・・
でも、幽霊の青野くんといたら、いつか、本当に優里が死んでしまうのでは?と不安にもなるのです
ホラー漫画ならではのドキッとくる描写の巧みさ・・・
ホラー漫画なので・・・怖いのは当たり前なのですが、一言に「怖さ」と言っても、いろんな種類の「怖さ」があると思います
この漫画の場合・・・ヒタヒタとぬるっと押し迫ってくる怖さではなく、AというシーンからいきなりBというシーンに切り替わる怖さが多く登場する
いわゆる予想もしなかった展開が突然現れるって怖さなんです
例えてみるならば・・・
なにげない一瞬を取った風景写真を見てて、いい写真だなーと見ていたら
誰かに「これ、心霊写真だよ」と言われ
いい写真だと思っていた一枚が、一瞬で心霊写真だと気づいたときのぞくっとした感じ
見ていた景色が一瞬で切り替わる怖さが、作中に何度も登場します
痛みと恐怖とエロティックさがミックスされたシーンにゾクゾク
自分の体を青野くんにあげたい優里
恋人とひとつになりたいって気持ちは、セックスするときに抱く感情そのもの
でも、優里は幽霊となった青野くんに触ることができません
「いい子の青野くん」と優里はお互いの指と指を合わせて疑似的にキスをするまねごとをし愛を深めていきます
そういったせつないラブシーンがある一方で、悪い青野くんが優里の体をのっとるシーンは、ズブズブッという効果音と、入ってくる感覚に顔をゆがめる優里の表情がなんともエロティックなのです
この恐怖とエロが凝縮されているシーンがとにかくすごくって、何度も読んでしまう
まとめ
3巻からは、「黒青野くん」と地域の伝承話がつながっていきます
さらに読み進めると、優里と青野くんは出会うべくして出会った運命の相手である展開がやってきます
なにか大きな力に操られて、青野くんと優里が出会ったのではないかという展開なのですが・・・
だとしたら、1巻の唐突に優里が青野くんに恋をしたって展開も妙に納得ができてしまうのがすごい!
私の中では、そもそも優里ちゃんにだけ見える青野くんは、本当に、亡くなった青野くんなのかな?って不安もあるんですよねー
結末がまったく想像がつかない壮大なホラーラブです!
ゾクゾクする描写も多いので、ホラーが本気で苦手だって方は、心して読むことをオススメします